比較的お手頃価格な自転車用チャイルドシートといえば、OGKが有名ですが、OGKはシティサイクルなどのいわゆるママチャリ用。
クロスバイクや、マウンテンバイク、ロードバイクには(原則)付けられません。
とはいえ、普段から乗っている自慢の愛車に子供を乗せてサイクリングしたいと思いますよね。
著者も、かねてより遊んでいる(放置している)クロスバイク、「BIANCHI CIELO(ビアンキ チェーロ)」を利用できないかと模索していました。
そこで今回は、ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクといった、スポーツサイクルに使えるリア用チャイルドシート、「Bellelli Pepe(ベレリー ペペ)」のレビューをしていきます。
- 自転車用チャイルドシートで有名なブランドは軒並み割高
- 1万円以下でイタリア製!「Bellelli (ベレリー)」社製が狙い目
- Bellelli Pepe(ベレリー ペペ) 実機レビュー
- 気になった点・注意したほうがいい点
- Bellelli Pepe(ベレリー ペペ) 総合評価
- まとめ
自転車用チャイルドシートで有名なブランドは軒並み割高
今回、スポーツサイクル用のチャイルドシートを探し回っていたところ、当初5,000円以内ぐらいの予算を考えていました。
そのため、クオリティやサポート含め、ある程度の妥協も受け入れ、中華製のものを検討していました。
ただ注意点としては、中華製安価製品を選ぶときは、国内のECサイトではなく、海外のECサイトを利用すること
国内の大手ECサイトは、全くの同一商品でも(ブランド名を付けたり)ショップごとに多少金額が上乗せされていたりと、20%(下手すると倍以上)近く割高で、「AliExpress(アリエクスプレス)」等を利用しないと“安さ”の恩恵は受けにくいからです
とはいえ、やはり自転車はほぼ生身。安全面を考慮すると、多少割高でも致し方ない部分ではあります。
そこで検討対象になるのが、「HAMAX(ハマックス)」、「THULE(スーリー)」、「Yepp(イエップ)」、「Polisport(ポリスポート)」といった、社会福祉や子供の教育に熱心な(北)ヨーロッパなどの、海外製品です。
ですが、(上記リンク先を確認してもらえればわかるように、)ここでボトルネックとなるのは、スポーツサイクル用チャイルドシートで名を連ねる有名ブランドは、軒並み高く、1万円以上は軽くします(モデルによっては3万円近いものも)。
国産でも「TOPEAK(トピーク)」なんかもありますが、それでも中華製に比べかなり割高です
1万円以下でイタリア製!「Bellelli (ベレリー)」社製が狙い目
そこで個人輸入も検討しつつ探し回ったところ、なんと1万円以下で、かつヨーロッパ製、「欧州規格EN 14344」を取得するなど、安全面も安心なブランドをついに見つけました。
それが、イタリア発祥のブランド、「Bellelli (ベレリー)」です。
“ベレッリ”と表記してるところもあります
実は、フロント用(耐荷重量15kg)では、1万円を切る欧州モデルもあります。
しかしながら、リア用キャリアなしに装着できる、耐荷重20kg前後まで対応しているモデルともなると、やはり1万円は超えてきます。
そんな中、圧倒的に代理店は少ないものの、「Bellelli (ベレリー)」社モデルなら、国内のECサイトを利用したとしても、1万円以下(実際は8,000円前後)で購入可能です。
「Bellelli (ベレリー)」ってどんなブランド?
製品レビューに入る前に、「Bellelli srl」がどんなブランドなのか、簡単に解説していきます。
「Bellelli (ベレリー)」社の正式名称は「Bellelli srl」。1994年、北イタリアはヴェネト州、Rovigo(ロヴィーゴ)にて設立されたブランドです。
主な商材は、今回紹介する自転車用のチャイルドシートをはじめとした、自転車用アクセサリー、カーアクセサリーといった、子供用品を開発しているブランドです。
ネット上には、Bellelli含め、先に挙げたHAMAXやTHULEなど、「おすすめスポーツバイク用チャイルドシート」を紹介している動画がいくつもあります。
正直なことを言うと、上記のような“まとめ動画”は、どこの誰が作った動画かもわからないため、信ぴょう性には欠けます。
ですが、この手の動画では、必ずと言っていいほど、どこかしらにランクインしています。
因みに、これらの動画の作者は、主にAmazonのランキング等から拾ってきているため、売れている製品であることは間違いありません。
今回紹介する「Bellelli Pepe(ベレリー ペペ) 」は、
- クロスバイクなどキャリアなしでも取付可能
- デザイン性だけでなく安全面にも配慮
- スポーツサイクル用ではリーズナブル
といった、キャリア未搭載のスポーツサイクルにもおすすめのモデルです。
Bellelli Pepe(ベレリー ペペ) 実機レビュー
画像はキャリア(荷台)付き自転車の取り付け事例ですが、キャリアあり/なしにそれぞれ対応しています。
また、「Bellelli (ベレリー)」のラインナップは他にも、『TIGER』、『LITTLE DUCK』、『B-ONE』、『MR FOX』、『SUMMER』、『LOTUS』などのラインナップがあります。
※上記モデルは『TIGER』です
全商品に言えることですが、海を渡って(税関並びに代理店を通す以上)欧州プライスよりは当然のことながら割高です。
ですが(なぜか)「Bellelli Pepe(ベレリー ペペ)」だけは、価格を抑えてくれています。
![ベレリーペペ ブラックレッド](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/D/Daisuke-Tsuchiya/20200517/20200517162720.jpg)
![ベレリーペペ ブルーレッド](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/D/Daisuke-Tsuchiya/20200517/20200517162656.jpg)
「Bellelli Pepe(ベレリー ペペ)」のカラーラインナップは、上記ダークグレー、ベージュ 、エレクトリックブルー、ホワイト(※ホワイトのみ国内では取り扱いなし)があります。
比較的規制に厳しい、欧州規格『EN 14344』に準拠し、22kg / 48.5lbs以下の子供向けに認定された、リア用バイクシートです。
「Bellelli Pepe(ベレリー ペペ)」の特徴を簡単に解説していきます。
イタリア製の非毒性プラスチックのみを使用し、素材に配慮されています。
また、軽量ながら剛性を確保。耐久性はもちろん、クッションやフレームも洗えるので衛生的です。肩と背中にある通風孔により、汗をかくシーズンでも通気性がよく蒸れにくい設計となっています。
他社製と同じく、自転車との着脱が簡単に行えるので、子供を乗せていないときやTPOに合わせて外しておくことが可能です。
加えて、
- 首のリクライニング角度と人間工学に基づいたシート
- サポート性の高いホールド感抜群のサイドボード
- 広く安全に脚を保護する機構
- 子どもには難しく、親には簡単に外せる安全バックル
- フットレストの高さ調節
といった、安全性と快適性にもしっかり配慮した設計となっています。
最後にもうひとつ付け加えると、前述した通り「Bellelli Pepe(ベレリー ペペ)」は、キャリア付き・なしに関わらず、ママチャリをはじめとしたシティサイクル、クロスバイク、マウンテンバイク、ミニベロ、ロードバイク*1など、ほとんどの自転車と互換性があります。
欧州のかっこかわいい洗練デザインのバイク用チャイルドシートをご検討中ならぜひチェックしてみてください。
【おすすめPOINT】
- キャリアなしのスポーツサイクルに取り付けられる
- デザイン性と安全面・衛生面にも配慮された安心設計
- 1万円以下のリーズナブルプライス
スペック紹介
Bellelle Child Rear Bicycle Seat - PEPE(子供用リア自転車シート-PEPE) | |
モデル | PEPE |
カラー | Dark Black / Beige / Electric Bleu |
利用可能マウント | フレーム取付:キャリアなしの自転車![]() キャリア取付:ISO 11243に準拠したキャリア - 120〜175mm ![]() ※現在は190㎜まで対応 |
耐荷重(最大) | 22kg |
重量(本体のみ) | 2.00kg |
化粧箱・パッケージ
![Bellelli Pepe(ベレリー ペペ)正面](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/D/Daisuke-Tsuchiya/20200517/20200517224138.jpg)
![Bellelli Pepe(ベレリー ペペ)背面](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/D/Daisuke-Tsuchiya/20200517/20200517224142.jpg)
パッケージというパッケージはなく、付属品はすべて本体に結束バンドで括り付けられています。
イタリア製らしい、やや人目を引きそうなオシャレな色使いです(誉め言葉)。
実際はパッケージもあるかもしれませんが、イタリアから直輸入された段ボールにて、裸梱包で本体・備品・取説が入っている感じでした
箱潰れや緩衝材不足で梱包が雑という意味ではありません
- PEPE本体 × 1
- PEPE STANDARDフレーム × 1
- PEPE STANDARDフレーム固定具 × 1
- クイックリリースブラケット × 1
- クイックリリース取付金具大 × 1
- クイックリリース取付金具小 × 1
- クイックリリース用スペーサー × 1※スクーター用
- 六角穴付きボルト × 9※M6 × 45:4本 / M6 × 65:4本
- 六角ボルト × 1
- 六角ナット × 5※M6:4本 / ボルト用:1本
- 取扱説明書(マルチリンガルVer)× 1
- 商品タグ × 1
ネジなどの備品類が入っていた箱は少し潰れてしまっていますが、致し方ないですね。
本体取付に用いる金具類は上記の通り。
黒いパーツは、フレームと本体を固定する際に使用する樹脂製の取付具です。また、穴付き六角ボルトはフレーム径に合わせて45mmと65mmを同梱してくれています。
取説はご覧の通り、超多言語マニュアルとなっています。これだけマルチリンガル対応しているということは、それだけの販路と、本製品が売れている証拠とも言えます。
ただし、日本語には非対応です。
しかしながら、今回利用したショップには、日本語の取説付きです。
海外製の輸入製品を広く扱う輸入商社「合同会社フェアトレード」から購入しています。
通常のマニュアルもイラスト入り解説なので本マニュアルがなくても簡単に付けられます(著者は一切見ていません)
デザイン・設計
既にお分かりかと思いますが、今回選んだカラーは「エレクトリックブルー(ELECTRIC BLUE)です。
日本ではあまり採用されなさそうな、ビビッドカラーが印象的。発色がいいので、一瞬で目を引きそうです。また、お尻と背中周りをすっぽりと囲ってくれている隆線的なデザインが特徴的となっています。
ベルトは3点式で簡単に調整可能。
バックルは樹脂製で、プッシュ式による着脱となります。
シートの着脱も同様ですが、一般的なチャイルドシートやベビーカーと同じような作りをイメージしてもらえばわかりやすいと思います。
足を載せる部分の裏側には、(足の長さの)成長に応じて高さ調節ができる機構です。
他社製同様、乗車の際、足をホールドするバンドも付いているので、安心して運転に集中できます。
画像は、チャイルドシート本体を支える、PEPE STANDARDのフレームです。
安全を左右する要(かなめ)のパーツなだけに、重量がややあります。
HAMAXはじめ、他社でも採用しているクイックリリース。もちろん、Bellelleも採用しています。
ロックはかけられないプッシュ式のシンプルなものですが、これをフレームにつけておけば自由にチャイルドシートを取り外しできます。
個人的に地味にうれしかったのが、樹脂製の本スペーサー。
スペーサーと言っていいのかわかりませんが、Bellelle PEPEは、クイックリリースと金具を挟み込んで止める仕様です。そのさらに内側に、噛ませることで、強固な固定並びにフレーム保護(傷をつけずに済む)の役割を担います。
とはいえ、スペーサーは樹脂製のため、やわらかくクッション性がある素材ではありません
小傷が一切つかないわけではないので、気になる方はさらにゴムやスポンジ等で緩衝材を用意しましょう
使用感(組み立て・取り付け)
組み立て方法はいたって簡単。マニュアルにもイラスト付き解説がついているので、迷うことなく設置できます。
ただ、注意したいのが、先のマニュアルの画像にも映っていますが、取り付けには一部工具が必要です。
製品には同梱されていないので、スパナ(ラチェットは特にいらない)とペンチぐらいは用意しておきましょう。ボルトサイズが2種なので、モンキーでもあればいいかもしれません。
取説では六角レンチ、スパナ(10mm)となっています
持っていなければ、100均のもので十分なのであらかじめ準備しておくのが吉
スペーサーを前後に挟み、クイックリリースと金具でさらに挟み、ボルトにて上下左右固定するだけで、簡単に装着できます。
ナットは緩まないよう、接着剤や樹脂を添付加工が施されているので、締める際はややきつめ。少し力が必要なので、出来るだけ男性がやってあげた方がいいかもしれません。
加えて(自車もそうですが)スタンドがないと不安定なので、ご注意ください
というわけで、自車に無事取付完了です。
さすがイタ車同士、相性抜群ですね(これも本製品を選んだ決め手のひとつですw)。
動画紹介(取付方法)
取り付け方法については、公式が動画でも公開しているので、ご参照ください。
Bellelli Pepe(ベレリー ペペ)試乗
実際に10分程度のサイクリングを3歳の娘(15kg)としてきました。
娘によれば、
快適性:★★★★★ 5.0
安心感:★★★★★ 5.0
楽しさ:★★★★★ 5.0
との評価をいただきましたw
初の自転車同乗だったからかもしれませんが、乗っている間中終始キャッキャキャッキャしていました。
今回のタイプはキャリアに乗せるタイプではないため、衝撃をより吸収して緩和してくれます。
地面の衝撃をダイレクトに感じる、突き上げの強いクロスやロードの細いタイヤでも、快適な乗り心地をえられるようです。
気になった点・注意したほうがいい点
ヨーロッパではベストセラーにもなったことがあるBellelle社製の自転車用チャイルドシート。
娘も現時点ではかなり気に入ってくれてるので、製品に対する不満は一切ありません。
ただ、取り付けの際地味に苦労したポイントがいくつかあります。
大まかにいうと、
です。
それぞれ解説していきます。
クイックリリースの取付位置注意
先の画像をご覧いただけばわかると思いますが、最初はフレームの真ん中あたりに、クイックリリースを取り付けました。
ところがここに付けると、タイヤとチャイルドシートが干渉します。
少なくとも「BIANCHI CIELO(ビアンキ チェーロ)」の場合はフレームの一番上が干渉しないベストポジションです。
子どもを乗せると多少たわむので、そこも計算に入れると、場合によってはサドルのフレームにつけなければならない車種もあるかもしれません。
車種によってシフトワイヤー・ブレーキケーブルに干渉する可能性アリ
自転車乗りならご想像できると思いますが、チャイルドシート取付時に、車種によっては、シフトワイヤーやブレーキケーブルに干渉する可能性があります。
自車の場合、内側を通しても外側を通しても、ブレーキケーブルにどうしても干渉してしまい、なかなか位置が定まりませんでした。
ケーブルにあたることで、ブレーキキャリパーにまで負荷がかかり、ブレーキシューのどちらかが常に触れている状態に陥りました。
微調整では直らなかったので、大々的にブレーキの調整を行っています。
とはいえ、メンテナンスをほとんどしていなかったのでいい機会でしたw
安全性配慮のためボルトがやや固め
「使用感(組み立て・取り付け)」の章で軽く触れましたが、Bellelli Pepe(ベレリー ペペ)のナットは、緩み防止のために、上記画像のように、接着剤や樹脂の添付加工が施されたプレコート型のナットとなっています。
そのため、手締めではやや力が必要で、力のない女性には不向き。
取り付けはパパがやってあげるのが賢明と言えそうです(とはいえ、難しい作業ではないので女性でも余裕で出来ます)。
Bellelli Pepe(ベレリー ペペ) 総合評価
![Bellelli Pepe(ベレリー ペペ)総合評価](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/D/Daisuke-Tsuchiya/20200518/20200518114359.jpg)
トータルして大満足です。
実は、中古でも探してましたが、それでも落札するとなると状態が良ければ1万円前後、悪くても5000円以上はしますし、送料を入れるとさらに割高。
今回「Bellelli PEPE」に出会えたことで、むしろ新品なのに安く済みました。
樹脂メインのシートですが、ホールド感もよく快適性・安全性も抜群。
また、丸洗いも可能なため衛生的で、何より、配色のバランスもがおしゃれで人とは少し違う洗練されたデザインが最高です。
価格的なメリットも大きい、スポーツサイクル用チャイルドシート「Bellelli Pepe(ベレリー ペペ)」は、子どもを乗せてサイクリングしたい、アクティブなファミリーにオススメです!
※2020年5月現在、取り扱いがあるのは楽天のみ
【総合評価】 | |
製品名 | Bellelli Pepe(ベレリー ペペ) |
総合おすすめ度 | ★★★★★ 4.8 |
まとめ
今回、自転車用のチャイルドシートを探すにあたり、子どもの送り迎えや通勤など、出来るだけ車を使わないようにしたかったという狙いもあります。
というのも、最近は特に運動不足ということもあり、日常の中で軽く体を動かす機会を設けたかったからです。
子どもは成長するのが早いので、すぐに自分で自転車を乗られるようになってしまいます。
でもその前に、子どもを乗せて(自分のペースで)一緒にサイクリングすることはある種夢だったので、夢かないました!これからフル活用していきます!
【こんなご家庭におすすめ!】
- シティサイクルよりスポーツサイクル派
- 子供と一緒にサイクリングしたい
- チャイルドシートに予算を出来るだけかけたくない
*1:カーボンフレームはやめておきましょう