子供にスマホ、与えてますか。
我が家にも3歳の子供がいます。ちなみに、既にもうタブレットとスマートフォンを与えています(いずれもAndroid)。
もっぱら、YouTubeの視聴や知育アプリ程度ですが、特に時間制限もなく、基本自由に使わせています。
恐らくどのご家庭でも、このスマートフォンなどの、インターネットに付随する悩みを抱えているのではないでしょうか。
多くの場合、
- いつ子供にスマホを与えるべきか
- そして与えたスマホによって心身に悪影響があるのか
これらが気になる部分ではないでしょうか。
先述したように、我が家では自由に使わせる方針ですが、理由は単純明快。
“親が使っているのになぜ子供に使わせないのか”に他なりません。
では、世の子育て世代は一体ったいどうしているのでしょうか。
本ページでは、「子供にスマホを与えるのは何歳から」が妥当かについて、外部からのデータと、我が家のケースと交えて解説していきます。
子育て世代は何歳からスマートフォンを触らせるのか
2018年10月と、少し古いデータですが、東京大学大学院情報学環の橋元良明教授らが、0歳から6歳の第1子を育てる2000人の母親を対象に実施しました。
これによれば、なんと0歳児を育てる母親の34.9%が、スマホに触らせたことがあると回答したそうです。*1
とりあえず見てる間は静かだし、育児はストレスが溜まりやすいから子守の代用として使っちゃいますよね
加えて、1歳児以降では6割を超え、現在では若者のテレビ離れも後押しとなり、さらに増えていることが容易に想像できます。
子供を持つ各家庭の年代別統計
では、年代別にもう少し詳しく見ていきましょう。
政府は、平成21年4月1日から施行された「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(いわゆる「青少年インターネット環境整備法」)に基づき、日本全国の満10歳から満17歳までの青少年、並びに0歳から満9歳までの子供を持つ家庭(保護者)を対象に、インターネットの利用環境調査を毎年行っています。*2
小学校中学年~高校生(満10歳から満17歳までの青少年)
これによれば、満10歳から満17歳までの青少年では、なんと93.2%がインターネットを利用していると回答しています。
photo by 青少年のインターネット利用環境実態調査 - 内閣府
インターネットを利用する機器の多くは、スマートフォンが62.8%とダントツで、次に携帯ゲーム機が30.3%、タブレットが30.2%となっています。
また、我々30代~40代前後の親世代がそうだったように、高校生ともなれば、99.0%もの子供たちが、インターネットを日常的に利用していると回答しています。
新生児~小学校低学年(0歳から満9歳)
ではもっと小さいお子さんがいるご家庭ではどうでしょうか。
同調査によれば、低年齢層の子供の56.9%がインターネットを日常的に利用しており、年齢と共に増加傾向にあります。インターネットを利用する機器は、スマートフォンが33.1%と一番多く、タブレットが26.7%、携帯ゲーム機が15.2%という、いずれも同じような結果となっています。
photo by 青少年のインターネット利用環境実態調査 - 内閣府
もちろん、低年齢層では青少年とは違い、子供専用というわけではなく、ほとんどの家庭で親子共用の使い方です。
ほとんどの家庭で娯楽として利用
年齢が上がってくれば、当然学習用として利用することも多くなってきます。ここでは割合は示しませんが、同調査によれば、年齢問わず、YouTubeをはじめとした動画視聴や、ゲームなどの娯楽利用が大半です。
とはいえ親も同じような使い方でしょうし、わざわざ“子供”とくくったこの統計に意味があるのかやや疑問
つまりいずれにせよ、どの家庭でもほとんどの親がスマホを持ち、パソコンがあり、タブレットがあり、インターネット含め、通信可能なガジェットに触れないことの方が難しい環境となっているのは紛れもない事実です。
スマホを触らせるうえでルールは必要?不必要?
photo by Erik Lyngsøe forom Pixabay
日本は先進諸外国から比べ、インターネット環境の整備に後れを取りながらも、街を歩けばフリーWi-Fiなども各所に整備され、通信環境に困ることはほとんどありません。
どれだけ情報に疎くても、上記統計並びに、現在のネットに取り巻く問題、状況は、ある程度周知されていることと思います。
そこで、どのご家庭でも考えるのが、
あるものをなくすより、あるものを“うまく”使っていく
ことではないでしょうか。
つまり、家庭内で子供がインターネットを利用する上で、ルール作りが必要かどうかについて考える必要があります。
ルール作りは無意味
結論から言えば無意味です。
まずは、同調査のデータをご確認ください。正直、この統計を見て驚きました。
低年齢層の家庭で、「ルールを決めている」という回答は80.8%、そして青少年では58.8%と、約6割にもおよびます。
ただ、注目したいのは、“保護者サイドの意見”と、“青少年サイドの意見”との差です。
親がフィルタリングしたり、利用状況をいくら管理しても、子供はさほど管理されているとも感じていない(というか隙間をかいくぐってくる)んです。
小学6年生の子供を持つ親御さんのケース
3人の子供を持つ友人の家庭でのエピソードです。
友人は超アナログ人間で、アンチネット派。そんな彼が、小学6年生になる息子(次男)にスマホを与えた際のエピソードです。
自分が使っていたスマホを買い替えたタイミングで、古いスマホ(SIMフリー端末)を与えました。
もちろん、SIMなしなので、Wi-Fi環境下以外では使用できません。
ですがあるときスマホを覗いてみると、電話番号や、年齢認証が必要なLINEに既に登録してあったそうです。
ある程度リテラシーの高い人であれば、Facebookで番号ナシで登録なんて、造作もないことですが、まさか(ほとんどネットに触れてきていない)自分の子がここまでできるのかと、相当ショックを受けていました。
幼稚園児を持つ親御さんのケース
2人の子供を持つ友人のケースです。
親子共用(主に子供用)のタブレットを購入し、ルールを決め、フィルタリング含め彼女いわく、管理は徹底していると豪語します。
ある日長男の都合で、次男(年長)に、30分ほど留守番を頼みました。
帰宅後、「何してたの?」と聞くと「何もしてない」との返答。ですが、タブレットにケーブルが刺さり充電中だったそうです。
バレバレでかわいいウソではありますが、いない間にこっそりタブレットを見ていたそうで、この家庭では、1日60分までと決めていましたが、既に制限時間見ていた後だったため、30分前後オーバーしました。
どちらの家庭でも共通していたのは、“子供が嘘をついたこと”にショックを受けていたのが印象的でした
いいものも悪いものも全て見させそのうえで教える
他にも似たようなエピソードが私の身の回りでも多々あり、この手の話題は尽きません。
とはいえ、あくまでも自分の身の回りの知人、あるいは自身の経験含め、子供は思っている以上に賢く、どれだけ管理しようが全てを把握するのは不可能です。
もっと言えば、好奇心旺盛な子供は、
保護者が勝手に決めたルールを守るはずない
からです。
これからの時代、5Gなどの高速通信環境がさらに加速していく以上、善悪の判断がつかないからこそ、いいものも悪いものも見させ、悪いものは何が問題なのかを、教えてあげることの方が、ずっと重要なのではないでしょうか。
幼児期スマホが与える影響は未知数
現状、スマホが幼少期の心身に与える影響は、まだまだ未知数。我々世代がゲームのやりすぎを注意されたように、視力の低下や体力の低下などの懸念は確かにあります。
これらについては、小児科医などの先生方が、科学的根拠に基づき、日々調べています。これはこれで進めてもらえればいいですし、今後の役に立つでしょう。
ですが、アプリの充実によりフィルタリングできたり、キッズ携帯や、キッズ専用のタブレットがかなり普及してきたように、どの年代、どの時代でも何か問題が出てきたとしても、何かしらの方法で解決し順応していくのが人間です。
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子供が小さいうちは、先に示した通り、共用で使うことが多いため、親の管理のもと、徹底して時間等の制約は可能です。何しろ、まだ読み書きすらできず、使い方もわからない状態ですからね。
ですが、将来のことを考えれば、今後間違いなく情報弱者は淘汰されます。
であれば、最初からルールなど設けず、ポンと通信デバイスをいくつか与えた方が合理的ではないかと思います。
重複しますが、
いいものも悪いものも全て見させ、そのうえで何度でも教える
これが今回の総括です。
- 様々な知見が広がる
- 早期にコミュニケーションツールとして使える
- 通信機器への理解が深まる
- グローバルな視野が持てる
- 情報をいち早くキャッチできる
- 善悪の判断材料になる
*1:参考:2歳児の1割超がもう「スマホ依存」 母親2000人の調査で判明 専門家「リスクは未解明、ほどほどに」 | 子育て世代がつながる | 東京すくすく ― 東京新聞
*2:※満10歳から満17歳の青少年が5,000人、左記の青少年と同居する保護者5,000人、0歳から満9歳の子供と同居する保護者3,000人を元に調査