
今回も前回から引き続き、いよいよ建物側の工事スタートです。
施工についての良し悪しはさておき、敷地内同居、田舎という環境での新築工事、工務店に対する不満などの所感がメインです。
本章より、新築着工から引き渡しまで筆者が感じた様々な悩みやトラブルを赤裸々に綴っていきます。
これから敷地内同居、田舎等で新築検討中の方のちょっとした骨休めになれば幸いです。
新築着工にあたっての所感
何となく暗雲立ち込める我が家の新築計画ですが、やっとのことで本当の意味での着工へと進みます。
ここまで来るのに約1年もかかってしまいましたが、田舎の零細企業(地元工務店)の工期のスピード感なら妥当なのかもしれません。
そして擁壁工事に至るまでと同じく建物側も相当時間が掛かることが予想されます。
そもそも論ですが、筆者自身はここの工務店に新築工事の依頼をかけていいものかずっと疑問を感じていました。
依頼先の工務店は、自社で抱えている職人はおらず、設計事務所的な立ち位置です。
現場に入る職人は昔からの付き合いでほとんど同じですが、基本丸投げスタンス。
工務店含め、ハウスメーカーの下請け経験はなく、昭和、平成を生きてきた職人しかいないこともあり、技術は間違いないものの、昨今の工法に果たして適応しているのか、法令に対する知識はあるのかというと絶対にありません。
それなら業者を変えろといわれてしまいそうですが、前述の記事でもお伝えした通り、敷地内同居、親子のパワーバランス、田舎(特有の習わし)等複雑に絡み合う状況ということもあり、発注先の変更は不可。
どうしても前置きが長くなってしまいますが、これらを踏まえたうえで見ていただければと思います。
基礎工事

解体と共に地固め、建て替えということもあり地鎮祭は省き、配筋、打設と進んでいきます。
筆者は住まいが別だったので、週一程度施工状況を確認するようにしていましたが、工事は滞りなく進んでいきました。
土木工事も当然外注丸投げ。
とはいえ断っておきますが、丸投げでもいいんです。
ただ元請工務店が現場に全く来ない。それが一番納得のいかない不満点でした。
土木工事業者自体は工務店経由あるなしに関わらず(母屋のリフォーム含め)これまで何度も来てもらっている業者というのもあるかもしれませんが、窓口並びに現場監督が常に不在なのはあまりにもずさん。
今回も解体、擁壁工事からそのままの流れで基礎工事を請け負ってもらっていることもあり、じぃじばぁばは「こんなもんだ」程度のリアクションで特段気に留めることもなしでした。
上棟式

夏から解体が始まりその後は順調に工事が進み、冬が訪れつつある12月某日、いよいよ建て方(建前)です。
そしてここでも不満ポイント発生です。
本工事に関わる全ての業者(建て方のみ参加)が総動員され、その数20名超え。
事前に連絡はあったものの、それぞれにご祝儀を渡した方がいいと元請けが行ってきました。
(民家が少なく、もはや来る人もいないのに)もち投げまで提案(強要)してくる、The田舎スタイルです。
当然断りましたが、これに加え、手土産や差し入れ、弁当、上棟式に使う小物etc…。
ある程度かかることは承知していたものの(多くても10~15人)、今後関わらない当日のみの職人や全く来ない元請けにご祝儀は支払いたくはありませんでしたが、世間体を気にし過ぎるじぃじばぁばの圧力、そして今後の工事という生殺与奪の弱みを握られているため、いやいや出費しました。
比較的構造も単純な30坪程度の住宅に(そのうち大工は2~3人)20人以上の職人が必要なのかも疑問でしたが、プレカットもさることながら人海戦術の甲斐あって、ルーフィングを含め午前中の約2時間程度で棟上げ完了。
神主は呼ばず、元請け進行で上棟式をササっと行い、正直無駄な出費が多かったのもあり、釈然としない不満を残したまま木工事へ進んでいきます。
木工事・屋根工事・設備工事

足場が出来ると木工事の進捗に応じてサッシ、外壁、屋根、電気、設備工事が適宜入ります。
じぃじばぁばはほぼ顔見知りのようでしたが、筆者夫婦は棟上げ時に初めて棟梁は「この人だ」と判明します。
御年80歳。
そしてもう一人は同年代のベテラン大工です。
棟梁は物腰の柔らかいおじいちゃんといった感じで、もう一人は寡黙な職人気質。
大工仕事といっても造作はカウンター程度で建具も住設も既製品なのでさほど心配はいらないと思っていました。
ところが案の定不満が…。
外壁の防水シートのしわ、床も壁も間違った断熱材の収め方(隙間だらけで気密性はどこへやら)、勝手に決まっているサッシ類、ドア、枠等々、施工する職人の気分を害しても良くないので、メーカーの動画を見せつつ工法の確認を都度するも改善されず。
元請けに確認を仰がれたのは、玄関、屋根材(瓦)、外壁、床の色、クロスぐらい。
あとは棟梁に丸投げ。
元請けが(ある種勝手に)発注した部材を淡々と組み上げ、来るたびに次々に出来上がっていってしまいます。
もしかしたらじぃじばぁばが空返事している可能性(確認したところ相談はないとのことだが十分やっている可能性はある)はあるものの、元請けの裁量によって色や素材、メーカーも勝手に決まっています。
そのくせ何かあれば棟梁にとのことで、現場には来ず。
前述の通り現場監督である棟梁は、物腰が柔らかくニコニコしていて、快く会話してくれ、希望に出来る限り応じてくれるものの、やはり御年80歳。
全体的に現場の整理整頓、仕上げなど細かい部分で配慮が欠けています。
もちろん元請けの伝達不足、知識不足が一番の原因ですが、高所作業でメットの着用をしない、粉じんや木屑が体中に付いたまま母屋のトイレを使おうとする(その後簡易トイレ設置させました)、喫煙所を設けずその辺で喫煙するなどなど、現代では当たり前にして欲しい配慮は一切皆無。
加えてあまりにも元請け不在で確認できないことが多く、業者間で不満を言い合っているところも何度か見かけました。
施工中の不満れを具体的にあげると、個人的に廻り縁は圧迫感がでるので付けてほしくなかったのですが、元請けも棟梁も廻り縁なしでは施工したことが無いと言われ悲しくなったことを覚えています。
ここで失敗されたり何度も手直しされるのも嫌なので収まりが良くなるようつけることにしました。
引渡し前
引渡し前の確認でびっくりしたのが、戸当たりが下記のものだったこと。
古い家ではよく見かけますが、新築の開き戸でマグネットタイプじゃないものを採用しているのをはじめて見かけました。
普通に元請けさん、知らなかったようです。
ネジ穴はあいてしまいましたが、さすがに突起が邪魔なので下記のようなマグネットのタイプに変更してもらいました。
我が家は第3種換気ですが、室内吸気口も新築なら当然プッシュ式やワンタッチ式を採用してあるのかと思いきや、風量調節は出来るもののグリルとフィルターを外さないと調節できない三菱の自然吸気口を採用。
よくよく建物全体を見てみても、この時代に珍しく基礎パッキンではなく基礎換気口がしっかり設けられていました。
床の傷、巾木の傷、ビスの締め忘れ、大量の木屑、コーキング不足、建付け不良、マスキング剥がし忘れ(塗装後)などなど、引渡し前にある程度修正してもらいました。
ただ修正も正直やらない方がましだった箇所もあり、職人によって技術力の限界を思い知る結果となりました。
筆者ににわか知識があるせいで気になり過ぎたことも多々ありますが、恐らくこの工務店はこういったスタイルでやってきて、これまでクレームというクレームを受けてこなかったのかもしれません。
というよりここ数十年新築の施工を請け負っていないのか、もしくは地域のお年寄り(客さん)では細かい部分に気づかなかったり、指摘されてこなかったので成り立っていたんだろうなと感じました。
田舎の工務店で新築を建てるということ
筆者が今回何を一番伝えたいのかというと、田舎の工務店で『理想通りのマイホームという幻想は捨てた方がいい』かもしれないということです。
全業者が当てはまるわけではないですし施主の性格や工務店次第なところはあるものの、田舎特有の気質や地域性は不満に通ずる強い要因のひとつです。
地域密着であればあるほど客との距離が近く、それを好む客層も多いからなのか、なぁなぁで作業が進んでいくことが多いです。
個人的には白黒ハッキリするビジネスライクの方が合理的で分かりやすいと思いますが、とにかくグレーなことばかりです。
ただここでもうひとつ言っておきたいのは、どこに発注しても100%満足のいく家づくりは出来ないのが普通です。
どこかで妥協したり自分たちなりの納得の割合を増やしていくしかないとも感じます。
巷でも散見されるように実際建てる前、建てた後での後悔ポイントは必ず出てくるものだし、どうあがいても思うようにいかないことは多々あるからです。
もちろんワクワクする気持ちは大切にした方がいいと思います。理想を持つのももちろん自由です。
ただ理想や期待値が高すぎると、思い通りにならなかったときの後悔ばかりが目立ってしまいます。
全体を通して不満は多かったですが、今現在は比較的消化し、本記事は備忘録として綴っています。
どんな家でも住めば都。
持ち家なのでこの後いくらでもDIYできますし、機能性の低い家とはいえ手抜き施工をされているわけではないので普通に暮らしていれば何十年と持つのは明白。
思い通りの家にならずとも、そう悲観的になる必要はありません。
筆者の今の境地はというと、令和の時代に平成元年の新築を建てた、と開き直っています。
これから敷地内同居や同居、はたまた新築検討中の方の参考になるかどうかはわかりませんが、建つ前(実は建った後も)は不満だらけのマイホームでも心構えひとつで納得の家になり得ます。
新築施工の失敗談としてお楽しみください。